免疫力を高めよう
赤ちゃんの免疫力
赤ちゃんはお母さんのお腹で、羊水という水の中で成長します。生まれたばかりの赤ちゃんは、とても弱々しく、免疫力もないように思われがちですが、実は免疫機能は大人とあまり変わりません。
免疫細胞を育てる組織(胸腺)は、お母さんのお腹にいる胎児のころからできていて、T細胞を血中に送り出すほか、母親からも胎盤を通じてIgG抗体という免疫を受継ぎます。つまり、赤ちゃんはおなかにいるときから、母親から免疫をもらって成長をしているのです。
IgG抗体は、ウイルスや病原菌などの感染を防ぐ働きを持つ抗体です。この抗体は約100日で効果がなくなってしまいますが、生後数週間もたつと赤ちゃんが自分で抗体を作ることができるようになります。
母乳の中には赤ちゃんの免疫を高める物質が多く含まれていますが、鳥インフルエンザやO-157などの新種の病原体の発生や、細菌やウイルスなどへの抵抗力は、生まれてから赤ちゃんが自分で抵抗力や免疫を獲得していかなければなりません。
一般に、生後6ヶ月前後から病気にかかりやすくなるといわれているのは、母親からもらった抗体の量が減り、赤ちゃん自身が自分で抗体をつくる仕組みへとからだが移り変わる時期だからです。
そんな赤ちゃんが成長する過程で、色々な病気、障害がおこることがあります。そのとき、お母さんお父さんを応援するのが、予防接種や育児相談、そして、発育や発達の節目ごとに行われる健診ですので、うまく利用したいものですね。
免疫力を高めて体の中の悪い細胞や細菌と戦おう!
私たちのからだには、生来備わった力「免疫力」があり、からだの中に悪い細菌やウイルスなどが進入してきたり、体内に存在している細胞が悪い方向へ変化してしまわないようにする抵抗力を持っています。
たとえば、癌細胞を例にお話すると、実は健康な人の体内でも癌細胞は作り出されているのですが、体が健康なら、体内の免疫が癌(異 常)細胞の動きを監視し、癌の発生や成長を防いでくれるのです。つまり、免疫というのは私たちの体を守る機能であり、その機能が正常に働く限り癌は進行しないという訳です。
しかし、何らかのきっかけ(精神的なストレス、飲食の不摂生、過労など)で免疫のバランスが崩れ、防御機能の能力が低下してしまうと、癌細胞たちが増殖し「癌」という病気は進行してしまいます。
癌などと怖い病気でなくても、この免疫力が衰えると風邪をひきやすくなったり、なかなか風邪が直らなかったりします。この「免疫力」はとても大切なのです!
当院の鍼灸は、経絡治療という治療法で、脉診によって体質差や個人差を考慮し、生命力の強化を治療の目的としています。
この経絡治療は、私たちが生まれながらに持っている自然治癒力を高めることにより免疫力を高め、健康なからだを取り戻すことを主眼にした治療法です。
お子さんの場合、成長期の不安定なからだの状態がゆえに体調を崩すことも多くあります。そんなとき、薬を飲んだり、手術をしたり、という少なからずからだにダメージを与える対処療法以外に、ぜひ鍼治療を考えてみてください。
鍼治療は、副作用がなく、また免疫力の強化や体質改善など、お子さんの本来からだに備わっている機能を回復させたり、引き出すお手伝いができます。成長期の子供さんには、円しんやてい鍼といって先の丸く、刺さない鍼を使って施術を行いますので、痛みもなく安心して治療が受けられます。
鍼灸による治療は、子どもを守り育てるママやパパの強い味方です。
体の不調を考える 2024年3月27日