鍼灸で未病対策
副作用のない鍼灸で未病対策しませんか
東洋医学でからだをゆっくり正常な状態に整えていく。
病気ではない、けれども健康とはいえない。そんな『未病』の人に対し、本来の健康的な状態に体調を整えようというのが誠心鍼療室の基本的な考え方です。そのバックボーンとなるのが、東洋医学の人間のからだは自然の一部であり、からだの不調は自然界にあるさまざまなもので正常に戻すことができるという思想。
西洋医学では、からだを臓器や細胞の段階まで解剖して、それぞれに異常がないかを問題にします。
これに対して鍼灸治療の根源にある東洋医学では、からだの働きをゆったりとした自然界の流れ(リズム)にしたがって調和させていくことに主眼を置いています。からだの具合が悪くなるのは、この流れに乱れが生じるためであり、逆に、からだの不調を整えるためには、その人の体質や体調に合わせ、乱れた流れをゆっくりと元に戻してあげればいいという考え方です。
また東洋医学では、からだも自然の一部であると考えられています。自然界にはさまざまな機能をもった成分が存在します。これらを組み合わせることによって、からだ本来がもっている力を徐々に回復し、からだの調子を整えることができます。
自然界にあるからだに良い成分は、食物としてある程度摂取できます。また、私たちのからだの中には、内外のさまざまな刺激や変化に順応したり、生理的活動のバランスを保ち、つねに健康的なからだを維持しようとする働きがあります。
これは恒常性と呼ばれるものですが、この働きはからだ本来に備わっている機能で、これが先天的に弱かったり、肉体的ストレスなどによって継続的に変調をきたしたりすると、障害反応が全身あるいは脆弱な部分にあらわれます。この働きを整えるとともに、これらが原因で起きる症状や体質を改善し、からだを本来の健康に導くことを「滋養強壮」といい、鍼灸治療はこの滋養強壮の効果があります。
私たちの身体には自然治癒力が備わっており、乱れたバランスを正常な状態に戻そうと調整する働きが備わっていますが、滋養強壮とはこの自然治癒力を高めて、乱れた身体のバランスを正常化することです。この作用は見方を変えれば本当の病気に発展することを予防する効果にもつながります。
未病の状態では、種々のバランスの乱れ、機能的失調から冷え性(冷え症)、血色不良、胃腸虚弱、虚弱体質などの自覚症状が現れてきます。滋養強壮作用によって自然治癒力を高め、バランスの正常化をはかることで、改善効果が期待できます。
未病対策には、からだを温め、じっくり長期戦で体質改善を。
"からだを温めること"は未病対策の第一歩。
冷えは万病の元といわれます。
冷えの状態が続くことで、体温調節をはじめ、内臓の働き、呼吸、発汗などからだの機能をコントロールする自律神経がうまく働かなくなってしまいます。そうならないためにも、からだを内側と外側から温めることをこころがけましょう。
外側から温める方法には、ぬるめのお風呂にゆっくり入る、夏でもあまり薄着をしないなどがあります。また、バランスの良い食生活を心がけるなど、からだを内側から温めることも効果があります。
鍼灸は、からだ本来の力を活かしながら、健康へと導きますので、未病対策にはとても効果的です。体質改善は一朝一夕でできるものではありませんから、こうした方法で徐々にからだを温めていくことが大切なのです。
次ページでは、女性に多いからだの不調と健康対策について、ご紹介します。
体の不調を考える 2024年3月27日