誠心鍼療室の治療の進め方
ここでは、どのようにして治療をすすめていくのかを簡単にご説明したいと思います。
治療法に出てくる東洋医学の用語については、「東洋医学の治療法」で簡単にご紹介しておりますので、そちらも合わせてご覧ください。
治療を進めるにあたり、体のどのツボに鍼やお灸をするのかを選ぶ為には、証(あかし)を決定しなければなりません。
東洋医学では、総ての病変は五臓六腑(五臓は、心臓・肺臓・脾臓・肝臓・腎臓、六腑は胃・小腸・大腸・胆・膀胱・三焦)の不調和により引き起こされると考えており、証はどの臓腑に異常があるのかを表わしており、どのツボを用いるかも同時に示しています。 証は、四診法と言う東洋医学独特の診察法によりその人の体質、病気の原因や症状などを十分に考慮して決定します。
- 1.治療の第一段階「証」の決定-診察・診断
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- 先ず、診台に仰向けに寝ていただき、望診・聞診・問診を同時に進めてゆき、大まかに証をたてます。
- そして切診により、患部やお腹を触察し、手首の親指側にある動脈を診て最終的な証を決定します。
ここまでで診察・診断が終わり、続いて決定した証に基づいて手や足のツボに鍼をしていきます。
- 2.施術-本治法-治療「ツボに鍼」を行なう
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ツボに鍼をしますと脉は変化しますので、鍼をした結果の良否を一鍼ごとに脉診し、確認しながら鍼をして行きます。 弱い脉は強くしてやり、荒々しい脉は穏やかな脉にすることにより、全体の凸凹を無くすることにより自然治癒力もつけることができ、苦痛も解消されて行きます。
また、心身に異常を抱えている人のお腹は硬く突っ張っていたり逆に冷えてブヨブヨしていたり、粉を吹いたようにザラザラしていたりしますが、脉が整ってきますと温かく弾力のある滑らかなお腹に変わって行きますので腹診も脉診とあわせて行います。
- 3.施術-標治法-身体の「バランスを整える」ツボに鍼や灸を行なう
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脉が整った段階で、痛みのある箇所だけでなく身体全体に対して冷えているものは温め、熱をもっているものはその熱を除くように、また、緊張しているものは緩め、力なく弛緩しているものは適度な張りをもたせるように身体の上下左右のバランスをとるように鍼やお灸をして治療を終わります。
治療時の服装について
治療を受けられる際の服装は、下着でもかまいませんし、患者着も用意してあります。また、ほとんどの女性の方は、上はTシャツ・下は短パンかジャージを持参され、それに着替えて治療を受けられています。
お子様用はりについて
誠心鍼療室の"小児はり"は、基本的には"円鍼(えんしん)"はりと"てい鍼"はりの2種類を使用します。
皮膚をさする、なでるなど、どちらも皮膚に触れたか触れないか判らないくらいの軽い刺激で、身体には刺しません。
当院の鍼灸による治療法について
新潟県三条市の誠心鍼療室の鍼灸治療は、経絡治療で施術をする鍼灸院です。
経絡治療は、人が生まれながらに持っている自然治癒力を高めることにより健康な心身を取り戻すことを主眼にした人間まるごとの治療法です。
たとえば、西洋医学では、外科医は心臓が悪いと心臓にメスを入れますが、手や足を触ったりはしません。これに対して、東洋医学である鍼灸では、臓器そのものを直接治療するのではなく、臓器の機能を遠隔操作によって治療します。
足や手など離れた場所に鍼や灸を施すことで、心臓の機能回復をはかるのです。言い換えれば西洋医学は病を診る、東洋医学は人体まるごとを診るとも言えます。
ソフトな鍼灸術、脉診流の鍼灸治療
鍼治療と一口にいっても、その手法は、いくつかの流派があります。当院の行っている鍼治療は脉診流という手法で、3千年前に中国ではじまり、日本には6世紀頃伝来しました。脉診流はり灸術は、生命力の強化を治療の目的とする体質改善治療です。
刺激理念とは異なり、脉診によって体質差や個人差を考慮した上でツボを選択し、そこにごく浅く金・銀の鍼を施すか、または適度の熱さで施灸しますので子供でさえ、喜んで治療が受けられ、心地よく心身ともにリラックスできるソフトな鍼灸術です。
また、鍼や灸の痕(あと)などは残りませんので、女性の方にも安心して治療を受けていただけます。
鍼灸は、体質を強くし、体調を整える効果があります。作用はとっても穏やか!からだにやさしく無害な鍼灸は、女性や子供さん、赤ちゃんにも向いています。ぜひお試しください。
脉診について
経絡治療においての脉診は、治療の全体を通じて最も重要なものです。脉診は手の芸術とも言われ、その習得には日々の修練が欠かせないものです。
それは、患者さんの手首の動脈に人差し指、中指、薬指の三本の指をあて軽く触り陽の脉、少し押し込んで陰の脉を診るので片手で六個、両手では十二の脉を診ることになります。
そして、十二の脉の強弱を比較しながらどのツボにどのような鍼の刺し方をするのか、さらに、鍼をした結果がよかったのか悪かったのかの判断も出来るからです。